Tuesday, July 06, 2010

難しいゴルフのルール

先日の日曜日、仲間とゴルフに行った。そこで、ルールに関して侃々諤々と例題を持ち出し論議になった。
成長物とルース・インペディメント。これは厄介だ。
例えば、スルーザグリーンで素振りをしていて成長物の枝や葉っぱや木の実を触り地上に落下させるとペナルティがつく。理解。
で、ここで一つ問題がある。

例えば、雑草のような芝生がちょっと成長したような物を素振りで切り落としたりしないのであろうか?
もうこれはルールの基本、自ら裁定者にならなければならない。
また、同伴プレイヤーが「こんな場合はOK」言った事に僕はハテナマークを持っている。
それは、ハザード内で素振りをして長く伸びた芝生などをサッサッと素振り段階で接触しても無駄罰。クラブをソールして無いからだそうだ。理解できない。
どうしてか、その成長物の中にルース・インペディメントは絶対と言ってよいほど存在するからだ。素振り段階でルース・インペディメントに触れ、僕の解釈ではペナルティが与えられる。

次にもう一つ、ハザード内の出来事、僕の勘違いもあったのだが、
それは、前にもブログにも書いたが、USPGAのベライゾンヘリテイジのプレイオフの出来事である。

マスターズの翌週の米ツアー「ベライゾンヘリテージ」は、勝者を決めるための二人のプレーオフになった。
このコースはピートダイ及びニクラウスが手を入れた屈指の名門コースで最終ホールはおもちゃのような灯台に向かってショットする名物ホールがある。そこでの出来事である。

一人は、僕が大好きなフューリック。その相手が、ブライアン・デービスだ。デービスはイギリスの選手で欧州ツアーでは2勝していた。

プレーオフ1ホール目。米ツアーを代表する海沿いの難しいパー4で、ティーショットは両者フェアウェイ。
2打目は、フューリックはグリーンの奥のエッジ。デービスは、手前ギリギリのピンを狙ったが、ショートして砂浜に。

砂浜はラテラル・ウォーターハザード。ボールは砂浜の上。そのまま打てると判断して、デービスはソールせずに構えてから、しっかりと打ってグリーンに乗せた。

その瞬間、デービスはルール係をその場に呼んだ。
テークバックで、砂浜に波で打ち寄せられていた刈れ枝にクラブが触れてしまったようだと申告したのだ。

ハザードからだと、成長物であれば、テークバックで触れても罰はない。
しかし、ルース・インペディメントには触れることが出来ない。砂とか、落ちている枝とか。

ルール係は、当たったといわれる枯れ枝(折れた葦みたいな)を確認し、折れて地面から離れていることを確認した。
2打罰ということになり、この時点でデービスはギブアップした。フューリックはパーをセーブして買った。

目の前にある勝利を自ら遠のけた行為。VTRでもスルーにしなければ見られないような接触。
たぶん、打った本人以外は誰も気が付いていない。

フェアプレーだということで、全米が絶賛した。まさに美談である。

フューリックは、パーパットを入れても喜びを表現しなかった。
このような勝ち方に戸惑っていたこともあるだろうが、トラブルで敗者になってしまったデービスへの気遣いだったのだと思う。

勝負師を気取るゴルファーであれば、このフューリックの勝者の気遣いこそ見習いたいものだ。
こういうシーンは、普段のゴルフでも多々あるからである。

ファンであることもあって、個人的にはフューリックの行動も美談だと思って、ジーンと来た。

このシーンのルール解釈で、たくさん問い合わせが来た。
どういうときに打てて、どういうときに打てないか、というものが多かった。


原則として、少しでも怪しい場合は打てないと思うべきだと返信した。だって、タダでさえソール出来ずに難しいのに、テークバック
の方向や角度に違和感を持って、正しいショットができるわけがないのだ。

当たり前の話が美談になるのは、ゴルフが自らが審判であるという独特のシステムのお陰である。
審判としての知識や見解を広げるのは立派だが、なんだか胡散臭い気がしてしまって面倒になった。

見習うべきは、ゴルファーとしての態度である。
打ってすぐに、おかしいと思ったら、その場で周囲に確認するという姿勢である。

口の悪い人は、第2打の時点でほぼ負けが決まっていて、ギャンブルショットをしなければならない事情があり、かつ、グリーンに乗ったとはいえ、1回では入らない長い距離が残っていたことから、美談にして実を取ったのだという。
浅ましい心が産む歪んだ発想だと無視していれば良い。

ゴルフは、自分を映す鏡である。
ついつい忘れてしまうが、時々は自分の顔を確認しよう。
ニコニコしているのと、ニヤニヤしているのは、同じ笑顔でも違うわけであり、そういう違いに鈍感になっているときは、既に危険な状態に片足を踏み込んでいるのである。


で、僕の勝手なルールだ。
ハザード内(ペナルティが付加される場合)に入ったボールは有無を言わさず、即ペナルティ。一打罰。2クラブレングスにドロップしてプレイを再会すべし。
こうすれば、競技員を読んで裁定を待たなくても良い。そして、プレイが早くなる。