Friday, April 16, 2010

「じゃん」と「だがや」

昔子供の頃、横浜の親戚が名古屋(幼少時代の実家)に遊びに来た。
その時、いとこの話を聞いていて、「何々じゃん」という言葉を聞いて「東京弁、かっこええがや」と思った。東京の匂いをこんな所から感じていた。
「かっこいいじゃん」当時は東京弁だと思っていたが、どうも横浜あたりの方言らしい。

「じゃん」を名古屋弁でいうと「だがや」になる。東京の大学に入って「何とかだがや」というと「千駄ヶ谷」と返された思い出がある。

僕は名古屋弁を捨てたいと思ったことがある。それは大学受験の折、となりに座った女子が可愛くて試験終了後、コーヒーでも誘って友達になりたかった。
しかし、僕の発する名古屋弁のお誘いがあまり通じなかったみたいだ。あっさり断られた。

男「コーヒー、飲みに行こみゃ~か?」
女「はあ~?」
男「試験、どえりゃー、えりゃーでいかんわ。」
女「はあ~?」
男「・・・・」
女「じゃあ、お元気で、さようなら。」
とまあ、こんな感じだ。とほほ。

男「コーヒー、でもどうですか?」
女「う~ん・・行きますか。」
ーー 楽しいコーヒータイム ーー 
男「試験、すごく、疲れましたね」
女「そうそう」
男「電話番号聞いてもいい?」
女「いいわよ。じゃ、また。」

これで、完全に名古屋弁ともおさらばだ。

「えらい」は標準語では「偉い」の意、名古屋弁では「疲れた」の意。また、特徴のある言い回しは「半分にする」を「もうやーこ」、など。へんてこである。
ここで名古屋弁の特徴を記す。
あ行子音+い=ゃー となる。例えば、鯛(たい)は「たゃー」に。上記「えらい」は「えりゃー」に
お行子音+い=ぇー となる。「とろい」は「とれぇー」と。
「です」を「だがや」または「でしょう}と。
「下さい」は「ちょーだゃー」とかだ。

名古屋弁を捨てて30数年、もう完璧かといわれれば少々不安がある。というのは、電車など人の集まる場所に行くと大体、名古屋出身者だと解る。上記特殊名古屋弁使い回しを使用しなくても独特のアクセントがあるからだ。僕も多分、完璧と思っていてもそうでないかもしれない。

名古屋出身の芸能人は名古屋弁を封印している。見事だ。竹下景子さん森本レオさんなどなど。兵藤ゆきさんは完璧名古屋弁。
現在、生きた名古屋弁を聞ける人は河村名古屋市長だ。完璧である。

とまあ、「じゃん」に憧れ、東京に出てきて30数年。いろいろあったが、最後に「いいじゃん」と言いたいものだ。

南利明という人がいた。「ハヤシもあるでヨ」