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Tuesday, January 25, 2011

名奉行 大岡越前

BS朝日で再放送の「名奉行 大岡越前」が面白い。北大路欣也の時代劇は良い。
「名奉行 大岡越前」は以前地上波TV朝日でやっていたものだ。
まっ、言ってみれば日本版裁判物テレビドラマだ。この大岡越前は御白洲(裁判所)の場面が長く設定されいる。約20~30分ほど御白洲の場面が続く。名奉行の紐解きが実に良い。

良い脚本だ。時代劇ファンは一見の価値はある。BS朝日、火曜日7時。面白いですよ。
昼の4時TBSでも加藤剛の「大岡越前」だ。これはだめだ。

Wednesday, December 29, 2010

正月テレビの楽しみ

毎年年末ともなるとテレビコンテンツは、名ばかりのタレント(才能)達のお遊戯番組の花が咲く。で、年末・正月はもっぱら映画番組中心ののんびりテレビ桟敷になる。

wowowとかスカパーとかで海外ドラマ、もっぱらCSIとかのアクション・サスペンス物になる。そして映画、古典から最新までまとめ見だ。
そこで最近見た映画の中で気に入った映画がある。「96時間」、「パブリック・エネミーズ」そしてちょっと古いが「ターミナル」だ。

「96時間」の監督リュックベッソンはレオンとかトランスポーターでも有名であろう。痛快アクションそのものだ。

「パブリック・エネミーズ」はアメリカギャングのアクションもの。ジョニーデップ主演の実録ジョンデリンジャーのアクションで、ここでキーになるのは音楽。主題歌ではないがとある女性と出会う場面でジャズの名曲「バイバイブラックバード」が流れる。そしてラストではジョンデリンジャーが射殺されその遺言が刑務所にいる彼女へ警部が伝える。「バイバイブラックバード」と。中々感動する。

そして最後にスピルバーグの「ターミナル」。トムハンクスとキャサリン・ゼタジョーズの恋愛風心温まる映画である。ここでもやはりジャズミュージシャンが影の主役。でも、最後にベニー・ゴルソン演奏の「キラージョー」が演奏されるが映画のほとんどはジョン・ウィリアムズの軽快なスクリーンミュージックが作る作曲家はいないであろう。もしいたとしても、プロデューサー・ディレクターが首を縦に絶対ふらない曲風である。流石スピルバーグ、ジョン・ウィリアムズである。

最後に年明けにソフィア・ローレンとマストロヤンニの「ひまわり」がNHK BSでオンエアーされる。昔見て感動した作品。歳をとってまた見たい作品の一つだったのでとても楽しみだ。
これも胸キュンだ。
イタリア映画で出兵先がロシアというものが多い。「ひまわり」そして「ニューシネマパラダイス」とか。ムッソリーニ政権下のイタリアの歴史をちょっと調べてみよう。

Sunday, December 05, 2010

だんだん

1年後しの「坂の上の雲」が今日から始まる。楽しみである。現在、BS・地上波で前回分(去年)が再放送されている。
劇中で松山弁の「ありがとう」が心地良さを感じる。親しみのあり、また、心底からのありがとうに聞こえる。
それは「だんだん」。良い。

名古屋弁にこんな響きの言葉はない。強いて言うならば「やっとかめだなも」という言葉が思いつく。意味は「久しぶりですね」だ。今使う名古屋の若者は稀有だと思うが、父母の時代はよく使われていた。

ところでNHKの大河ドラマ「龍馬伝」と「坂の上の雲」によって、僕は明治維新前後、そして大正・昭和に移る歴史の流れを再確認した。また、新たな発見も多々あった。

例えば、陸奥 宗光。紀州藩士から、海軍操練所、龍馬と出会う。そして亀山社中。海援隊へと。ここまで龍馬伝での情報。そして、伊藤博文内閣で外務大臣となって日本の政界の表舞台へと頭角を現す。これは、「坂の上の雲」からだ。というように、歴史の流れは実に面白い。高校の世界史・日本史の世界では、断片としての情報で覆われる。だから、歴史の変わり目の出来事には無頓着になりやすい。で、こういう歴史ドラマを見ると、例えフィクションとしても自分の歴史観などが変わってくる。

「坂の上の雲」では、秋山兄弟(日清日露戦争の戦勝立役者)と正岡子規との交友を含めた明治大正の歴史である。そこで、登場する各偉人の前経歴が解って実に為になる。
例えば、秋山真之と子規が通った大学予備門の先生に高橋是清がいたりと誠に興味深い。

ちょっと話が逸れるが、赤坂から青山一丁目にかけて、カナダ大使館手前に旧高橋邸があり現在は高橋是清翁記念公園となっている。そんな2.26事件の現場を歩いていたりすると「ほほーっ」と思って立ち止まり、歴史の断片に入り込んだ気がする。

その「坂の上の雲」は今年いっぱいで完結する。今年はNHKの看板役者となった香川照之にとって思い出深い年になったのであろう。

今回の「龍馬伝」「坂の上の雲」に僕は感謝する。

「だんだん」。

Tuesday, August 31, 2010

音楽を題材にした映画 其の1

今日BSでI am samという映画があった。DVDを持っているがやはり見てしまった。ビートルズの音楽がキーワードとなって物語が進んでいく。
サム役ショーン・ペン、ルーシー役ダコタ・ファニング(名子役でかわいい。将来が楽しみだ。)の名演である。挿入音楽(すべてビートルズの曲)と映像が見事シンクロしている。
内容はこうだ。知恵おくれのお父さん、やたらビートルズに関して詳しい。一芸に秀でている。山下清だ。その娘、ルーシーの親権を廻っての物語である。彼にこれからの少女(ルーシー)を育て上げていく事が出来るのか?
裁判で負ける。そして里子に出される。また、弁護士の家庭も対照的に扱われている。健常者の親そして息子、此処にも問題は無いのか?本当に子供の事を思って育て上げているのか?
むしろサム親子の方が純真な心で子供を育て上げていっているのではないか?という命題に立ち向かう。
そして、別れ離れに。しかし、サムは里親のそばに引っ越す。その内に里親も本当の親子の絆に屈しルーシーはサムの元へ。
純真な心の親、生活で四苦八苦するIQの高い親、これら全ての親に対する愛情物語である。そして、ビートルズの曲を知っていれば面白さが倍増する。

Monday, July 26, 2010

カリスマドッグトレイナー

ナショナルジオグラフィックというCSチャンネルがある。通称ナショジオだ。
ナショジオが映像提供される前は、黄色い表紙のの世界的自然科学雑誌であった。今も発行されている。
そのフィールドは全世界。その専属カメラマンになることはカメラマンにとって最高の勲章である。20年前、中村さんというナショジオの専属カメラマンの人とお付き合いがあり、いかに凄いかとということ切々と話していた事を思い出す。

その番組の中でこんなコンテンツがある。「カリスマドッグトレイナー」。
わがままな犬、やんちゃな犬、など問題のある犬を名トレイナーがその問題犬をクレバーな犬に調教していく番組である。なるほどなるほどの連続である。

このトレイナーに犬を預けるとあっという間にいい子ちゃんになる。いろんなシチュエイションに於いても従順な態度をとる犬に成ってします。
ここでのテーマは誰がリーダー(飼い主)か?を犬に理解させる。という事である。
リーダー(飼い主)より前に出るな!とリーダー(飼い主と犬とを結ぶ物)を引っ張る。噛み付く動作(手で噛み付きの口を模倣)をして誰がリーダーかを認識させる。あっという間に従順になっって行く。
猫かわいがり、よしよしいい子ちゃんでは犬はわがままになっていくと教える。

で、ここで人間社会に置き換えてみる。
ドメスティックバイオレンス(DV)ということが社会問題になっている。家庭内でリーダーは誰か?という基本を今の親どもは分かっていない。彼らのリーダーは子供。猫かわいがり、よしよしいい子ちゃんである。そのリーダーが小学校で何か不都合な事が起これば、親達は「内のリーダーに何するのよ!」と無理難題を押し付ける。そのうちその子供達も自分たちがリーダーではないかと思い始め、わがままし放題のリーダーに成っていく。そして家庭内の威厳順位は子供→母親→父親という図式に成っていく。
例えば、タレントママ。自分の子供(リーダー)を無意味な習い事に通わせる。例えば、エイベックスのダンス学校、歌の教室、ゴルフ教室、と。ノータレント(無才能)の子供がそれなりに生活できる環境へと彼らは誘う。その費用を最もシモベの父親が負担する。まっこと、ナンセンスである。

僕の子供時代はどうか?
父親は絶対的リーダーであり、威厳が満ちあふれていた。母親もそのリーダーシップに従い、愛にあふれていた。子供達は完璧に親に服従(良い意味で)。リーダーを喜ばそうとそれなりに努力する。そんな子供達の努力をリーダーは見過ごす事はなかった。初めて親とキャッチボールをしたことは良く覚えている。親が子供の努力を認めてくれた瞬間である。嬉しかった。
中学に進むにつれ、親の経済事情も分かってくる。贅沢はできない。高校は絶対公立高校に進学しなければ成らない。努力をした。親の期待に応える。そして大学。ここで唯一のわがままをいう。入学金だけ援助を申し入れ東京行きを説得し、苦難の東京での大学生活のスタート。実に良い親父であった。実に良いリーダーであった。と思う。
今の親達はこの「カリスマドッグトレイナー」という番組を見なければならない。そこにあるテーマを理解し、それを現実社会に置き換えてなければならない。
家族の威厳。それは父親→母親→→→→子供でなければならない。

「カリスマドッグトレイナー」は人間家族に置き換えてみると実に奥が深い番組である。DVは無くなる。また、親の威厳を再認識する事が出来る。

Tuesday, June 01, 2010

ブラタモリ2

たまたま夜中NHKにチャンネルをあわせるとブラタモリが放送されていた。
で、今回は原宿周り。僕の原宿事務所が登場.した。

明治神宮からスタートし、明治神宮の中の南池からちょろちょろと小川が伸びる。その先を探訪するという番組だ。で、竹下通りが暗渠になっていてその下が小川だ。新発見。で50mぐらい行くと川は右へ。その先左。そこが6月まで借りている事務所マンションだ。引っ越しを祝うかのような番組登場である。

事務所の大家のおばあちゃんも登場、以前ここが川だった頃の話をしていた。彼女はその当時モガであったろう。
それが明治通先の渋谷川に通じているという番組であった。
番組内でいつも顔にする店やら人やら登場し、何やら楽しい番組であった。

Monday, May 24, 2010

阿部サダヲという人がいる。

日本の俳優でスラップスティックギャグをやらしたらぼくは一番うまいと思う。あの落ち着きの無い演技、何とも言えない間、これはアメリカのコメディ俳優ジムキャリーに似ている。ジムキャリーに似ているというのは大変な褒め言葉であろう。

先週から、NHKで彼の主演のドラマがスタートした。
「離婚同居」相手役が佐藤江梨子。一回目を見て阿部サダヲ・佐藤江梨子の役者としての実力の一端が見え隠れしていた。
阿部サダヲでは無いとだめな役柄、他の役者じゃだめなのであろう。良いキャスティングである。

彼は以前「まいこは~~~ん」というスラップスティック映画に出演していた。
それより今回の「離婚同居」は彼の代表作になるであろう。次回も楽しみである 。

Thursday, April 08, 2010

カンペ

カンペ。カンニングペーパーの略だ。

テレビ放送の生放送進行上、欠かせないのがカンペである。本来、番組の時間調整をフロアディレクター等が、タレント・コンメテーターに影で紙に書いて見せるという代物だ。しかし、最近では、第一義の意味を履き違えて、覚えの悪いタレント・コンメテーターのまさにカンニングペーパーと化している。

本人の見栄で、いかにもアドリブで話しているかのような高名なものまである。その代表例はCXの朝8時のコンメテーターである。彼の前にはあらゆる方向にカンペが用意してある。どこを向いてもカンペだ。僕は思う。堂々と手持ちで文面を読めば良いと、その方が、天声人語的で説得力がある。
プロならば、それを暗記して出演するべきである。

また、他のカンペの神様は、往年のフォーク歌手である。彼らは堂々と歌詞カードを譜面台に乗せ演じている。プロでしょう。それぐらい覚えなさい。誠に情けない。

かつて、アメリカの音楽番組がNHKで放送されていた。それは、ジュール・ホーランドというミュージシャンが司会を担当する音楽番組。毎回多彩なゲストで楽しんでいた。そのバックバンドがデビッドサンボーンというサックス奏者のバンド。drumオマハキム/guitarハイラムブロック/bassマーカスミラー/keyboardエリックセラというメンバーが中心である。それぞれオリジナルアルバムを出している面々だ。彼らは一度も譜面を見ることなくゲストミュージシャンの伴奏をこなしていた。誠にプロ意識が強い。それでいて、完璧な演奏なのだ。
これは、YouTubeで見ることができる。


これぞプロ。

また本来、才能という意味のタレント。その冠をいただいた芸能人をタレントと呼ぶ。あまりにもプロ意識がないアマチュアレベルの人達でテレビ・映画業界を闊歩している。失敗しても後の特番で使われるのでいくら間違えても平気なのであろう。
カンペに始まり、タレントの悪口ばかりであった。芸能界タレントの皆様、申し訳ございません。

これぞプロ。と言われるタレント達の登場を期待する。

これぞプロはというと、ハザマカンペ さんでしょう。


Sunday, March 28, 2010

龍馬伝 season1を見て

NHKの大河ドラマでこれほどハマったものはない。season1が本日終了。

感想である。脚本・演出・音楽は秀逸である。今までの大河ドラマのタブーを打ち破っている。特に監督の絵作りは見事である。光の具合、カメラワーク(被写界深度の具合)、役者の汚さ、カット割りなどである。特に感心したのがプログレッシブカメラの導入である。(映画をみるような映像)良い映像というのはどのシーンを絵として切り取っても誠に絵になるのである。そんな目で龍馬伝 を見ると違った印象をうけると思う。
次は出演者。ミーハー路線を排除したキャスティング。よくやった。
その中で期待どおりの演技を見せてくれる俳優は吉田東洋役の田中泯、乙女役の寺島しのぶである。

まず、田中泯氏
僕は前衛舞踏家との縁が少なからずある。以前ブログで紹介したギリヤーク尼ヶ崎氏、彼との縁は故人の友人の森くんの紹介。そして、以前良くセッション及びレコーディングした世界的に著名なパーカッショニストのYAS-KAZ氏という人がいる。そのYAS-KAZ氏の音楽ライフワークの中で舞踏家の音楽を多数手がけていて、少なからずお手伝いをしたことがある。その縁でファッションモデルの山口小夜子さん、舞踏家の土方巽氏、そして田中泯氏と合うことができた。その彼らは世界的に名を馳せる前衛舞踏家である。日本よりフランスをはじめヨーロッパ・アメリカ・カナダなどで根強いファンが居る。その前衛舞踏家の田中泯氏が山田洋次監督の「たそがれ清兵衛」に出演しているのを見てびっくりしたことがある。彼なくしてこの映画は成功しなかったのではないかさえ思う。
吉田東洋役の田中泯氏、好演であった。

次に乙女役の寺島しのぶさん。
彼女は尾上菊五郎、富司純子を親に持つ。富司純子さんすごく綺麗な人でその娘さんはさぞかし綺麗な方と想像したが、そうでもなかった。というのが最初の印象。(寺島さんすみません)しかし、フランス人の方と結婚されtから女の魅力とういうか女優としてメキメキ頭角をあらわしてきた。僕の中では気になる女優No.1になる。
そこで、ベルリン国際映画祭(世界三大映画祭の1つ)の最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞というニュースが舞い込んできたのは昨年の暮れか今年の始めである。

作品は、若松孝二監督の「キャタピラー」という作品。若松孝二監督は好きな監督のひとりである。低予算・鋭い洞察力のシナリオ・メジャーには縁のない監督というイメージだ。
社会性の強い作品が多いので中々スポンサーが付かないのが現状であろう。そんな折、連合赤軍をテーマにした作品『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』を見る。視点赤軍側。その当時、巨大な鉄球があさま山荘を壊していく映像はよく見た。権力側から。映画を撮るときこのシーンは球が別荘に入り込んでくる映像になっている。金がないからセットが組めないのだ。自分の別荘を壊しての撮影となった。また、今回の「キャタピラ」は撮影期間2週間程度、スタッフ10数名、というコンパクトさで出来ている。キャタピラーは手足のない傷痍軍人の話だ。江戸川乱歩の「芋虫」が題材になっている。
日本では夏に公開されるという。楽しみである。彼女はすごい演技をしているのであろう。

今後、どのような展開があるのかまっことたのしみぜよう。か


Sunday, January 03, 2010

龍馬伝を見る。

毎年NHKの大河ドラマを見ることが定番化している。
前回の「天地人」には、がっかりだった。
その理由は、3つある。配役・音楽・テイスト。

配役は、あまりにも経験不足、実力不足、キャスティングに問題があった。
音楽は、メロドラマチックでどうもなよなよしている。
テイストは、ビデオ仕立てでは、どうも安っぽい画面になってしまう。
今回の「龍馬伝」には期待をして第一回目を見る。

やっとNHKさん、プログレッシブカメラを導入フィルム仕立てにしてくれた。単純に映画っぽくなるという事だ。
脚本:福田靖 演出:大友啓史 現在日本で脚本・演出では彼らの右に出る物はいない。
カメラワーク・カット割り等、以前作品に比べれば力の入れようが違う。

次に音楽:佐藤直紀。
より、映画音楽に近づいている。N響を登用したクラシカルな楽曲から脱却しよりスクリーンミュージックに近ずいている。
配役も実力者が名を連ねる。
久しぶりに次回が楽しみだ。

Sunday, December 20, 2009

小津エピソード

僕はオールディーズの映画はあまり見ない。その理由として、何とも言えない早口が気にかかる。感情が表に出てこないからだ。
黒沢・溝口・小津もしかりだ。でも、我慢して見るとそれを除けば素晴らしい作品群を発表している。
例えば、小津安二郎監督の映画「麥秋」殆ど茶の間のカットが延々と続く。
これに目をつけたのが山田洋次監督である。彼はこの特徴をいかし、2010年新春に、映画「麥秋」を舞台化する。
そして、脚本・演出を手がける。是非、観劇してみたい。楽しみである。

そこで小津安二郎にまつわる面白いエピソードを何個か。

其の1
意外と知られていないが、第一回監督作品は、アメリカ映画を下敷きにした時代劇『懺悔の刃』。
その後小津さんは二度と時代劇を撮っていないので、デヴュー作が最初で最後の時代劇だったのだ。
残念ながらプリントが現存しないため、シナリオ、スティールなどで雰囲気を味わってほしい。
なお、小津さんの戦前の作品はいわゆる"小津調"ではなく、コメディー、青春喜劇、サスペンス、エログロナンセンス、恋愛ドラマなどなど、バラエティーに富んでいる。
ぜひ観られるものは観てみよう。

其の2
小津組は残業ゼロ。午後3時か4時ごろからの"ミルクの時間"と呼ばれる酒盛りが始まるからである。
ちなみに小津さんの昼食は、生卵をおとした黒ビール一杯だけだった。"ミルクの時間"を楽しく過ごすにはこういった努力?が必要だったのかな。
ただし残業ゼロといっても撮影日数は他の監督作品よりも多かったはずである。酒を楽しみつつ、自分の作品には妥協せず取り組んでいく。これもひとつの小津スタイルでしょう。

其の3
小津さんは草野球狂だった。スタッフ・役者には野球の強い人を集めていた。映画作品では他の監督と競ったりするのは好まなかったが、野球になると話しがちがったらしい。笠智衆、佐田啓二といった方々は撮影、野球の両方で叱咤激励されていたのかな。なにか微笑ましいなあ。
野球好き、宴会好き、酒好き、なんか小津さんていいですよね~。 

Tuesday, December 15, 2009

小津安二郎と溝口健二

小津、溝口といえば今でも世界中の映画人から"オズ、クロサワ、ミゾグチ"と言われる位世界的評価の高い映画監督であるが、これ程好対照だった監督もめずらしい。
小津という人は良く知られているとおり、撮影現場に臨んでは一行の科白の変更もなく役者の演技指導も自分のイメージ100%にまでとことんもっていき、美術、小道具、大道具などの変更は一切なし。カメラも自らのぞき、カメラマンの厚田雄春氏曰く”俺はカメラ番なのさ”と言われるくらい自分の思い描いていたとおりにアングルをきめる。まあさすがの小津さんも大映で”浮草”を撮る際に、あの名カメラマン宮川一夫氏と組んだ時は宮川氏のアイデアをかなりいかしたそうだが。
ところが溝口という人は、科白変更どころかシーン全体の科白を脚本家(現場に呼びつけてある)に新たにゼロから考えさせ自分では決定的なことはいわずに”あなたは脚本家でしょう。責任をもってください。”徹底的にいびる。カメラに関しても宮川氏に”もっと良いものがあるでしょう”と蜿蜒とアイデアを出させ絞り上げる。してはいけないとされている大道具の変更(すべての手順が滅茶苦茶になり撮影がとまるから)も日常茶飯事。役者の演技指導も”あなたはプロの役者です。自分で考えて下さい”といった具合。
このやりかたは僕の経験(音楽家として)でも多々あり、このタイプの監督は”漠然と納得できないものがあり、眼の前にこれこれと示されればこれのほうが良いということがわかる”というやっかいなタイプである。
しかし出来上がったものは良い場合が多いのは皮肉である。
ゴダールとトリフォーが絶賛していた”新平家物語” ”雨月物語” ”西鶴一代女”などの溝口健二の傑作はこのようにして出来上がったのである。
”新平家物語”の冒頭の長いワンカットなどは監督としての溝口健二の才なのか、カメラマンの宮川一夫の才なのか。結果よければそういうことはどうでもいいのかな。
”小津さんは自分の好みの中でしか仕事をしなかった。その上好みを自分で知り尽くしていた。だから幸福だったでしょう。しかし、溝口さんは一生自分がなにをやりたいのかわからずに、無茶苦茶に頑張った。苦しい一生だったと思います。”大島渚
残酷なまでに二人の監督人生の違いが象徴されている同業者の発言である。

Monday, December 07, 2009

NHKブラタモリからTBS仁の江戸背景

NHKブラタモリという番組がある。東京の在りし日を古地図から紐解いていくと番組である。坂好きのタモリ氏にとって坂の多い東京は好奇心をそそる場所なのであろう。

で、先週、本郷台地が舞台となった。東大周辺からスタートし不忍通りの辺り、ここは台地の谷にあたり川があった場所。昔、下町と山の手の境目であった。これは、千駄木の台地の上に住んでいる友人から聞いた話だ。
番組の〆は聖橋あたり。これは本郷台地の南端にあたる。その下は神田川が流れ、その脇はお茶の水の駅である。古地図を見ると、本郷台地はまだ神田方面に続いている。靖国通り辺りであろう。江戸の治水事業でお茶の水界隈が掘られ神田川は流れを変えた。
そこで、TBSの仁という番組である。仁が回想場面などで登場するメインの場所がある。それは崖の上である。(多分聖橋近く、東京医科歯科大学辺り)眼下に神田川が流れ、その先は江戸の町がある。もし、それが正解ならば江戸の町の先に江戸城があっても良いと思う。また、神田川は左から流れているが、本当は右から流れなくてはならない。

そして、仁の住まいとなっている橘家の屋敷は湯島樹木谷なので、湯島天神とサッカー協会界隈とすると歩いて20分位かと推測する。
また、吉原までは1時間位かかったのではないかと推測する。
NHKブラタモリのおかげで、仁というドラマの地図上の位置関係が明確になった。

Saturday, November 28, 2009

Morning Glory

今日、土曜日、NHK wonderXwonderという番組を見る。内容はオーストラリア北部に起きる気象現象についての番組だ。
それはMorning Gloryという。その気象現象は雲が何百キロにおよび太巻きお寿司のような巨大回転雲が発生するというものだ。東側は下降気流、西側は上昇気流。その上昇気流に乗ればその現象が消滅するまで延々とグライダーで飛行可能なのである。中々見事な気象現象であった。
で、こんど、TBSの世界不思議発見を見る。TBSの中で数少ない好きな番組の一つだ。なんとそこでもMorning Gloryについての番組であった。二つ続けて同じ内容の物が続くとはなんと珍しいことである。しかも、Morning Glory。

ここで本題はこうだ。
僕は、このMorning Gloryの意味を、朝立ちと思っていた。なぜかというと、昔、ジャズの新しい流れでクロスオーバー・フュージョンというジャンルが出現する。今で言うスムースジャズである。その時期のギタリストでリーリトナーというギタリストがいた。今は、歌手の杏里の旦那である。今もそうなのか分からない。そのリーリトナーの曲にMorning Gloryという曲がある。彼は、この曲の意味を朝立ちである。と言っていた。それから、Morning Gloryの意味は朝立ちと思っていた。

これは、スラングの極みであった。で実際は朝顔という意味が第一にヒットした。
今や、Morning Gloryは僕には無縁のものとなってしまった。



Sunday, November 01, 2009

黒澤明のこと

僕が30才の頃ゴルフを始める。うまくなりたい一心で練習場通いをする。当時住んでいった場所が世田谷成城学園界隈。成城台地下の野川沿いに成城グリーンプラザという250ヤードのほどの立派な練習場だ。場所柄少々お高いが平日午前中2Fは1000円で打ち放題であった。
そこに週一回の割合で黒沢監督が練習に来ていた。気さくに握手等してくれた。お会いするたびに挨拶を交わした思い出がある。


黒澤というひとは映像のプランニングと同時に、音楽のプランニングも80%ぐらいは自分で考えてしまう人だったらしい。
作品にとりかかると今度はこの音楽でいくと決め、その音楽をかけながらコンテ、演出プランをかためていく。もちろんかれは作曲家ではないので既成のレコードなりCDなりを選曲して編集したフィルムにその音楽をサイズもピッタシあわせダビングしたものを用意して"音楽打ち合わせ"に臨むのである。
そもそも音楽というものは非常に抽象的で、映画に限らずイメージを的確に伝えるのはむずかしい。
よってこの黒澤方式は監督の意図している世界観、イメージを最大限伝えるには有効なやり方である。がその反面それを見せられ、聞かされる作曲家にとってはものすごい努力をしいられることもある。
なぜなら、その映像につけられた音楽は気分で適当につけられたものではなく、映画の世界観を提示するために綿密に選ばれており、ラベル、ドヴォルザーク、ベートーベン、ブラームス、シベリウス、マーラーといった大作曲家達と対峙させられるからである。
元々、抽象的であるはずの音楽が黒澤方式で提示された時の複雑な感情ーオリジナルな音楽を創造しようとする作曲家が、過去の大作曲家のテーマを自分はなぞるしかなく、自分はほんとうに作曲家なのか、と自問自答する危険性を孕んでいる。
黒澤作品における音楽はそういった作曲家達の悪戦苦闘の結晶でできあがっているのである。

羅生門 (作曲 早坂文雄) 黒澤アイデア ラベル "ボレロ"
七人の侍 (作曲 早坂文雄) 黒澤アイデア ドヴォルザーク 交響曲"新世界 第4楽章"
赤ひげ (作曲 佐藤勝) 黒澤アイデア ベートーヴェン"喜びの歌"&ブラームス"交響曲第1番 第4楽章"
デルス・ウザーラ (作曲 イサク・シュワルツ)黒澤アイデア シベリウス 交響詩"フィンランディア"
乱 (作曲 武満徹) 黒澤アイデア マーラー 大地の歌 第6楽章"告別"

といった作品を聴いたあとで観ることをお勧めする。

追記 
用心棒 (作曲 佐藤勝)の音楽は唯一、黒澤アイデアが感じられない優れたオリジナルな音楽である。特にテーマ曲における、ズンダンダンダン、ズンダンダンダン、ズンダンダンダンという野太いリズムと"ダフダフ"なオーケストレーション(ヴィオラでチェロの音域を鳴らしたり、トランペットをトロンボーンよりも低い音域で鳴らしたりしている)の合体はすばらしい。ブラック・ユーモア的な残酷な話しにはダフダフな音色が必要とした佐藤勝氏のアイデアが映画全体の世界観を提示している。

Sunday, October 11, 2009

仁というドラマについて

TBSで見る番組は土曜日の世界不思議発見であった。新たに一つ見る番組が増えた。それはJIN-仁-というドラマである。たまたま第一回を見る。
中々面白い。着眼点が良い。俳優が良い。と久しぶりに三拍子そろった番組である。これは良い。

内容はこうだ。
幕末の江戸へタイムスリップしてしまった脳外科医・南方仁が、満足な医療器具も薬もない環境で人々の命を救っていき、その医術を通して坂本龍馬・勝海舟・緒方洪庵ら幕末の英雄たちと交流を深め、いつしか自らも歴史の渦の中に巻き込まれていくという、壮大なストーリーとなっている。
”誰一人自分を知る者がいない”という孤独な状況下で、知恵と情熱をもって患者たちを救う仁の姿は、「人を救うのは人である」ということを見る者に真っ直ぐに伝えてくれるだろう。

原作はというと漫画本ジャンプに掲載されている漫画であると知る。今時の漫画作家でここまで、重厚な作品を作れる作家がいるのかと感心する。
昔はいっぱいいたのに。常磐荘万歳である。
綾瀬はるか いいなあ。

Wednesday, September 23, 2009

白須次郎のTVドラマを見て

シルバーウィーク中にNHKで白須次郎のTVドラマがあった。白須次郎については学生時代から頭の片隅にいつも存在していた人物である。僕の分断的知識の中での彼の生き様をどのように描けるかなど期待していた番組であった、ぼくはこの番組にエクセレントを与える。

ディレクターである大友啓史氏・音楽担当の大友良英氏の才能が各シーンにちりばめられていた。各シーンというより1フレームごとにそれは魂が生きずいていた。
キャスティングも素晴らしい。放送料を払っていてよかったと思う。

僕の映像基準はこうだ。
どの場面も無駄が無い、ということ。

1フレームごとに静止画にしてみれば分かる。全てのシーンを額にいれて飾っても遜色無く芸術性が維持されている。
海外の映画・TVドラマを見るとだいたいクリアされている。しかし日本の映画・TVドラマではそうではない。99.9%成功していない。