Saturday, February 20, 2010

フィギュアスケート高橋選手の音楽

高橋選手が銅メダルを取った。見事である。僕はフィギュアスケートを見る時、ジャンプとかのテクニカル面はあまり興味がない。解説を聞いていても専門用語が頻繁に登場し煩い。音を絞ると音楽が聞けない。仕方なく解説入り画面を見る。

彼の今回の選曲はよかった。ニーノ・ロータというイタリアの名作曲家の楽曲を選択した。
曲は「道」という映画のテーマソング。巨匠フェデリコ・フェリーニ監督作品で、1956年のアカデミー外国語映画賞を受賞している。また、彼はゴッドファーザーの音楽を担当し、世間に知れ渡ることになる。
その「道」という曲が始まるとすぐに彼の作品と解る。トランペットの使い方に特徴がある。ゴッドファーザーにさも似たり、である。そして、特徴としては暗い。言い方を変えれば重厚である。その重みが高橋選手のプログラムと彼のトリノの失敗を含めたスケート人生とがシンクロした見事な選曲であった。

また、イタリアにはエンリオ・モリコーネという作曲家がいる。僕はこの2人がイタリアが産んだポップス作曲家の大巨匠なのである。
エンリオ・モリコーネはニューシネマパラダイスというイタリア映画を担当。
この作品はその年のカンヌ映画祭でグランプリを獲得。また、アカデミー賞で外国映画賞を受賞している。
内容は映画の栄枯盛衰・主人公の恋愛物語をシネマパラダイスという映画館を中心に描いている。
そこに登場する音楽は誠に見事である。
シネマパラダイスの映画の1シーン1シーンで使われている音楽がまこと見事にシンクロしている。また、サントラ版を聞いてもそこのシーンが浮かび上がってくる。また、晩年の主人公トト役のジャック・ペランは映画「オーシャンズ」の監督である。

で、このニューシネマパラダイスのテーマは今やジャズミュージシャンの間ではスタンダードになりつつある。
パットメセニーのアルバムでも使われ涙がでてくるような作品である。一聴をお奨めする。